テキヤの手伝いしてました

若い頃テキヤの手伝いをしていた頃の事を書こうと思います

テキヤの手伝いしてました13

祭りでタコ焼きのバイをしていると

[しまった]

と、佐藤さんが大声を出した

[どうしたんですか?]

と、私が言うと

[タコを忘れた]

と、佐藤さんが言った、タコ焼きを作るのにタコを忘れるなんてありえない

[佐藤さん、どうするんですか?]

と、私が聞くと、佐藤さんは少し考えた後に

[イカ焼きのイカを持って来い]

と、私に言った

[イカ焼きのイカを持って来てどうするんですか?]

と、私が言うと

[イカ焼きのイカをタコ焼きにいれる]

と、佐藤さんが言い始めた

[佐藤さん、バレますって]

と、私が言うと

[大丈夫、イカもタコも同じ]

と、佐藤さんが訳の分からない事を言いだした。


だがもうすぐ祭りも始まってしまう、グダグダ言ってもしょうがない、バレたらバレたで謝ればいい。


そうして前代未聞のイカの入ったタコ焼きを作る事になった。


祭りも始まって私達はイカの入ったタコ焼きを作り始めた、するとこれがまた売れに売れた。


[これ、結構イケるな、ウチの一家もイカの入ったタコ焼きを新商品として売り出したらいいのに]と、思った。


そして祭りも終わり、なんとかこの危機を乗り切った。


私は売れ残ったイカの入ったタコ焼きを食べてみたが結構美味かった。


つづく


こっちはイカではなくタコ社長


テキヤの手伝いしてました12

僕がテキヤの仕事をしていた時に一番お世話になった人が佐藤さんだ

佐藤さんは元自衛隊出身で身長はあまり大きくないが筋肉の塊みたいな体格をしていた

テキヤのバイも売上はいつもトップで仕事も出来た、そんな佐藤さんだが1つ問題があった、それは佐藤さんには僕らには見えない人間?が見えるというところだ

見えない人間?と言ってもそれは霊とかそういうことではない


僕らが目を離すと常に佐藤さんは何かと楽しそうに話していた、その光景はかなり怖いものがあった。


今、考えたら佐藤さんは何か幻覚を見ていたのかも知れないが、今となっては何も分からない。


つづく


寅さん

テキヤの手伝いしてました11

昔、テレビに出ていた新宿の母と言う占い師をご存知だろうか

この新宿の母と呼ばれた占い師は実はテキヤさんだ

当時はテレビも今と違ってお金を持っていた時代だからこの新宿の母と呼ばれた占い師のテキヤは相当儲けたであろう


映画 男はつらいよで寅さんがよくインチキ占い師をやっているシーンがよくあったが

この新宿の母と呼ばれたテキヤも寅さんのようにインチキ占いでひと儲けしたのであろう。


つづく