テキヤの手伝いしてました

若い頃テキヤの手伝いをしていた頃の事を書こうと思います

テキヤの手伝いしてました45

こんばんは


今日も私がテキヤの手伝いをしていた頃の事を書いていこうと思います


少しの間ですがお付き合い下さい



テキヤと言うのは、色んな所でバイをする


私が一番、驚いたのが山の中でのバイだった


明らかに人なんて来ないだろ


と、言うような山の中でのバイだ


[佐藤さん、さすがにここは人なんて来ないですよ]


[うるせーな、黙ってバイをすればいいんだよ]


[バイをすればいいって、山の中ですよ、山の中、周りは草と木しかないし、そもそも人が住んでる家が無いじゃないですか]


[·······································]


さすがに佐藤さんも黙ってしまった


それから数時間経ったがいっこうに人がくる


気配は無かった


周りもだんだんと暗くなってきた


[佐藤さん、もう帰りましょう、周りも暗くなってきたし]


[チッ················しょうがねぇな]


そう言って、佐藤さんも人が来ないと諦めたのか、私と一緒に片付けを始めた


ちなみにこの時は皿とか茶碗などを売っていた


片付けもそろそろ終わりそうな頃


[あの〜、すみません]


と、私と佐藤さんの背後から声が聞こえた


私も佐藤さんも、背後から突然声がしたので


悲鳴のような声を出してしまった


私が声のした方へ振り返ると


50代くらいの男の人が立っていた


[ハイ、何でしょうか?]


と、私がたずねると


[ここにある皿や茶碗は売り物ですか?]


と、私に聞いてきた


[ハイ、売り物です]


と、私が言うと


[あぁ、そうですか、じゃあ、その皿と、そっちの茶碗を下さい]


と、買い物を始めた


その男の人は、結構な数の皿や茶碗を買って


いった


[佐藤さん、人、来ましたね]


と、私が驚いていると


[あぁ、そうだな、こんな山の中でもモノは売れるんだな]


と、私と佐藤さんはテキヤのバイの奥深さを知った。


つづく