テキヤの手伝いしてました

若い頃テキヤの手伝いをしていた頃の事を書こうと思います

テキヤの手伝いしてました80

前回に引き続き


今回も社長の奥さんの話


前にも書いたが、社長の奥さんは


ドックディーラーみたいな事をやっていて


ある時に


産まれたばかりの犬の片目が失明している


事に気づいた



奥さんはこの犬は売れないとと思い


その犬の面倒を平井さんに頼んだ



はっきり言って


社長の奥さんは血統書付きの犬を作り


その犬で大儲けしたいだけの女



ウチのテキヤ一家の人間も社長の奥さん


のことは大嫌いだったし


社長の奥さんだから


イヤイヤ付き合っていた



さて、奥さんから無理矢理


片目が失明した犬を押し付けられた平井さん


だった片目の犬の世話をして


片目の犬を立派に育てあげた



ちょうどその頃に


私が騙されてウチのテキヤ一家の手伝いを


する事になり


私も平井さんと一緒に片目の犬の世話を


する事になった



ある時、片目の犬のウンチの片付けをして


いると


平井さんが


[前から思ってたんだけど、カピカピになった

犬のウンチって、カリントウにそっくりだよな]


と、突然、意味不明な事を言ってきた


[まぁ、そういえば、カリントウに似てますね]


と、私は答えた



そして、その話はそれで終わったのだが


ひと通り、仕事が終わり


ウチのテキヤ一家の寮に戻ると


寮のテーブルの上に


カリントウが置いてあった



それを見た佐藤さんは


[おっ、カリントウじゃねぇか]


と、そのカリントウを何個か食べた


それを見て私は、まさか平井さんが言ってた


片目の犬のウンチじゃねぇよな


と、思いつつ、平井さんを見ると



平井さんは、カリントウを食べる


佐藤さんの顔を見て、少し笑みを浮かべ


ているように見えた。



つづく