テキヤの手伝いしてました16
ある日、社長(親分)と佐藤さんが楽しそうに話していた。
[楽しそうですね、何の話をしているんですか?]
と、私がたずねると
[これの話だよ。]
と、言って社長が小指を立てた
[え?何の話ですか?]
と、私がまたたずねると
[だから、これの話だって]
と、社長はまた小指を立てた
[あぁ、なるほどね、女の話か。]
と、私はなんとか理解出来た。
なぜ私が社長が小指を立てたのに、それが女の話をしているのか分からなかったのか、それは社長には小指が無かったからだ、社長もそのことに気づき
[あぁ、そうか、俺には小指が無かった。]
と、言って豪快に笑った。
つづく
寅さん
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